本藍染めの原毛(ブルーフェイス)を紡ぐ

本藍染めから、待つこと3ヶ月半。
本当は1年ほどそのまま置いて、それから紡いだ方が藍が安定するのだそうですが・・・。最低でも3ヶ月我慢と聞き、ほんの気持ちだけですが半月ほど長めに待ちました。でも、これが限界でした・・・。もう待てません。
大好きな藍染めですが、糸を染めても中まで染料が入らないと、表面の染料の退色が早く、残念な結果になってしまいます。草木染めや藍染めは、未使用のものをタンスに大切に保管していても、折り畳んだ跡がくっきりと退色してしまうことがあります。
今回はそのような問題を解決するため、紡いだ糸を染めるのではなく、紡ぐ前の素材を染色し、中まで均等に染料を行き渡らせることで、退色を防ぎたいとの思いから実験を試みました。

手紡ぎ糸は市販糸に比べ、軽くて暖かに仕上がるため、細めの3plyヤーン(3本の糸を撚り合せて1本の糸にすること)にすることに決定。
外出時にコートの中に着てもゴロゴロせず、薄手ながらも保温性抜群のセーター用の糸に紡ぎたいと思います。
本藍で濃淡に染め分けた原毛2色を別々に紡ぎ、それらを双糸にする予定でしたが、濃色の方が濃紺よりやや明るい色目だったため、濃淡2色の双糸だと少しチープな色合いになってしまい、予定変更。
思い切って贅沢な染め賃をかけたのに、日本の深みのある藍色ではなく、東南アジアの深みのないチープな色合いでは納得がいかず試行錯誤。
ナチュラルカラーの白を加えることにより、目の錯覚で濃色がやや濃いめに見えるようになりました。



3plyヤーンに。白の効果は絶大です。白を加えることで他の色目がぐっと引き締まって見えてきます。頼もしい限りです。


ライトの当て具合のせいか、この写真は濃色がやや明るめに写っています。

さすがブルーフェイス、光沢があり優しい風合いの糸になりました。各色ともセミウーステッドの単糸に紡ぎ、それらを撚り合せて一本の糸に。
紡いだ糸量:1056m/457g(2.31番手)
ここまで来ると、もう頭の中は初めての「本藍染めセーター」で一杯です。

原毛(ブルーフェイス・コリデール)を本藍染め

かねてからの念願だった原毛の本藍染めを、昨年秋についに実現しました。染処風来坊さんで、藍の何とも言い難い独特の香りの中、いちにち楽しい時間を過ごさせて頂きました。感謝です。
風来坊のお師匠さんとお弟子さんは、その絆と信頼関係が、絶妙な言葉のやり取りから感じられ、笑いの絶えない楽しい体験となりました。
藍は生き物ですから、きっと私たちの楽しげな笑い声に反応して、良い感じに染まってくれたのだと思っています。

原毛は、中までよく染まるよう、繊維に少し空気を含ませるようにしてからネットに入れ、準備完了。今回は、淡色と濃色の2色に染め分け。
素材は、羊毛の中でも光沢があり滑らかな肌さわりのブルーフェイスとメリノよりフェルト化し難いコリデールにしました。
ブルーフェイスは私のセーター用、コリデールは夫のセーター用です。


表面についた藍の葉っぱは、染色完了後、干す前に丁寧に取り除きます。

染め時間は一回15分。それ以上は染料が入っていきません。一度藍甕から引き出し、流水に晒します。甕から引き出した時は緑色なのですが、水に晒すと酸化し藍色に変化します。軽く脱水し空気に晒して酸化させることで、藍が更に青く発色します。これを繰り返すこと7回。それ以上は殆ど変化が見られませんでした。
濃紺に仕上げたかったため、何日か置いてから、再度染め重ねて頂くことに・・・。
2度染め重ねて頂きましたが、殆ど染料が入らず色に変化が見られなかったため、合計9回の染め重ねで終了ということになりました。
淡色は、仕上がりの濃淡さを大きくしたかったため、3分程藍甕に入れ濃色同様、水に晒し脱水、空気に晒してしばらくおき、その後もう一度藍甕に入れ、合計2回で染め終了。


染色後、2週間ほど竿に干した後、水の中に一晩浸水しアク抜きをします。これを4回繰り返します。アク抜きすることで、発色が良くなるのだそうです。透明な水が、うっすらと茶色になります。回数を重ねる毎にアクが出なくなり、最後は殆ど水の色に変化は見られませんでした。


原毛の表面だけでなく、中まで均等に酸化発色させるため、干す時は、原毛が濡れているうちに手で繊維をほぐし、均等に空気に触れ易くします。時々裏返したり、竿に掛かっている位置をずらし、できるだけムラなく均等に発色させます。
アク抜きすることで、染色による繊維のきしみも緩和され、発色も促進されたように感じます。
藍は、染めてから1年寝かすと色が安定するのだそうです。
私は、そんなに待てそうにもないので、最低どのくらい寝かせる必要があるのかとお聞きしたところ、3ヶ月は我慢とのこと。
「急いてはことを仕損じる」と申します。
ああ、早く3ヶ月が過ぎますようにと、毎日原毛を眺めておりました。

コイルヤーンのネックウォーマー(グリーン系)/メリノ・コリデール

素材:羊毛(メリノ・コリデール)
紡ぎ方:アートヤーン(コイルヤーン)
使用糸量:134g
編み針:12号棒針・12号かぎ針
サイズ:幅25㎝×長さ27㎝
nme007

先日掲載したピンク系のコイルヤーンとの違いは、こちらの方が軽くてやわらかな風合いの糸に仕上がったということです。



空気を十分に入れ軽くて柔らかな糸にするために、ロールにしてスラブ糸を紡ぎ、コイルヤーンにしました。
コイルヤーンの基本は、軸糸に別糸をコイル状に巻きつけながら紡ぐ時、きつ過ぎずゆる過ぎず巻きつけることです。
均一な太さの糸を巻きつけても、表情豊かな糸にはなりません。


巻きつける糸を紡ぐのは、その長さを考えると、根気のいる仕事です。
それが、コイル状に巻き付けて行く行程に入ると、一変!
その表情が見る見る間に変わって行くのです。ついつい顔がほころんでしまいます。
大変身なのですから・・・。楽しくてわくわくしちゃいます。



コイルヤーンの強烈な個性を生かしつつも優しげな表情に仕上げたくて、コリデールでスラブ双糸に紡ぎ、コイルヤーンの間に編み込みました。白の効果は絶大で、私にとって頼りになる相棒です。

使い方はいろいろ・・・。
フェルトワークのブローチをお付けしてありますので、アレンジの幅が広がります。

ネックウォーマー

ループヤーンと引き合わせで

明るい気分になりそうな、楽しげな色合いのレインボー染めの原毛をスラブ糸に。
少し柔らかなトーンにして、春を待ちわびるうっすらとした雪景色をイメージして、細い白のループ糸を引き合わせにして編んでみました。
糸を紡ぐときは、少量でも白を配すると、他の色を引き立てる効果が得られるように思います。
ループヤーンは、紡ぐのに時間がかかりますが、そのユニークな表情はとても魅力的で、糸の太さやループの大きさを変えることで、限りないバリエーションを楽しむことができます。
使用糸量:140g
仕上がりサイズ:26cm×28cm
編み方:別糸で28目作り目。12号棒針で104段ガーター編み。別糸を解き、棒針に目を戻し、ガーター閉じ。
太い編み針を使うことによって、柔らかな風合いに仕上がります。


 

 

レインボー染めの原毛

 

レインボー染めの原毛を二種に紡ぎ分けて
双糸に紡いで

二種類の太さに紡ぎわけ、双糸にしました。一方は太いスラブに、一方は細めのセミウーステッドに。
この糸に、白のループヤーンを紡いで、引き合わせで編んでみました。

 

 

ネックウォーマー&帽子

ネックウォーマーとして

様々な表情に紡いだ糸5種類ほどをレインボー染め。
秋の紅葉とクリスマスカラーの赤と緑を配してみました。
暖色は体も温めてくれるそうです。近頃は、高価な赤の下着が売られていますが、科学的にそのような効果があるとのこと。
マフラーと違い、風の日でもしっかり首元をガード。安定感抜群です。
使用糸量:108g
編み方:別糸で44目作り目。8号棒針で136段ガーター編み。別糸を解き棒針に取り、ガーター閉じ。
仕上がりサイズ:22.5cm×31cm

二つ折りにして
帽子として

頭にかぶり、頭頂部を内側に折り込むと、帽子として使えます。
耳の部分が二重になるので、保温性に優れています。

前景(筒状です)