ケトルの持ち手ホルダー(フェルトワーク)

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ずいぶん前に、フェルトワークで作ったケトルの持ち手ホルダーがボロになっていたのですが、やっと今日リメイクしました。
内側は黒一色です。
市販のものは布素材のものがほとんどですが、気に入ったものが見つからず、結局自分で作ってみたものです。
6〜7年は使ったでしょうか? 丈夫で長持ちです。ご苦労様・・・。
キッチンのアクセントに、赤をメインの楽しげな色合いにリメイク完了!
リメイク前のねんきの入った状態の写真、撮り忘れてしまいました・・。
フェルトワークは、気分転換になりますが、結構体力いります。
原毛をフェルト化させるためには、一箇所200回摩擦を与えるため、大きなものの場合、重労働です。今回は小さくてリメイクのため、ベースをそのまま生かし原毛を重ねフェルト化したため、短時間で終了でーす。

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表と裏では少し模様の出方を変えてみました。

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春夏用・リネンとスーピマ綿の手紡ぎ糸の帽子

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今まで、なかなか春夏用の素材にじっくり取り組む時間を作れずにおりましたが、やっと実現・・・。
既製の帽子に満足できず、いつも「もうちょっと、ここがこんな風だったら良いのになぁ・・・」と思い続けておりました。
つば広の帽子は風のない日は、日よけ効果を発揮してくれますが、少し風が強いとつばの部分がめくれ上がり、時には帽子が飛ばされることもあります。カチッとし過ぎていると折りたためず携帯に不都合。しかも、折跡が残ってしまう。日差しの具合や、その時のファッションにより、かぶり口を様々にアレンジできたら便利なのに・・・など。
そんな悩みを一気に解決できればと思い、素材のMIX比率や構造を模索。
コンセプトは、勿論「シンプル・イズ・ベスト。男女兼用」です。そして、上記の思いを全てクリアすること、として取り組んでみました。

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まずは、糸の素材選びから。写真左はリネンの繊維、中央はスーピマ綿の繊維です。リネン繊維は中空孔のため、吸水性・速乾性に優れ、汗ばむ季節には、肌に纏わり付かず爽快感があり、春夏用の素材として魅力的。スーピマ綿は、綿の中でも高品質で、Superior Pima(高級ピマ)の略です。繊維の長さは35㎜以上の超長綿で、繊維が細くしっとりとした柔らかな肌触りで光沢もあり、カシミアにも匹敵すると、高い評価を得ています。綿繊維も、リネン繊維同様中空孔です。
余談ですが、その漢字を知らず、昔「蝶々綿」と勘違いしていた私は、「蝶々が沢山やってくるお花が咲く綿なのだ・・」と思っておりました。お恥ずかしい・・・。
その2種類の繊維の良さを生かし合えるMIX比率を、糸の試作に試行錯誤。繊維の長さが異なるため、敢えてその効果を狙い、スラブ双糸に紡ぎ、それぞれの繊維の表情が自由に現れる糸に紡いでみました。
リネンの清涼感を損なわず、携帯する時に折跡がつかぬようスーピマ綿の柔軟性の助けを借りることにしました。その比率がリネン:スーピマ綿=65%:35%です。帽子本体は、上記写真右の糸を使用。日よけとなるプリムの部分は、風でめくれあがらぬようなギリギリの幅にし、ヘナヘナしすぎないよう、リネンのみで細く双糸に紡ぎ、上記写真右の糸と引き合わせにして編み込みました。
それにより、プリムの部分で増やし目をしなくても自然な広がりが得られました。

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プリムの部分がしっかりしたことで、プリムの後方を折り返したり、前方だけを折り返したり、プリム全体を折り返したりと、様々なアレンジが可能となりました。
プリムを折り返さず目深にかぶると、格子戸から外の様子が見えるように、編み目の隙間から気配がわかるところも気に入っています。
やや深めに仕上げている上、手紡ぎ糸を手編みすることで伸縮性も兼ね備え、タイトにかぶりたい時は、少し縦に引っ張り、ゆったり目にかぶりたい時は、帽子の内側に両手を入れ、少し外側に広げてとサイズ調整も自由自在。
スーピマ綿をMIXすることで、折りたたんでも跡が残らないよう工夫。
藍染めにした裂き布をアトランダムに編み込み、アクセントにしてみました。シンプルなデザインですが、とても機能的で使い勝手の良い帽子となりました。

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編み針は、5号かぎ針を使用。紡いだ糸は2.2番手スラブ双糸。リネンのみの双糸は3.4番手。少し緩めに編んだ方が、編み進む時にかぎ針を目に挿入し易いです。編み方は筋編み。段を切り替えるより、ぐるぐると編み進めた方が仕上がりが綺麗です。途中までの増やし目は、その位置が分かり難いように分散して編み進めます。
筋編みにした理由は、重くならぬよう仕上げたかったことと、涼しさを感じられる帽子にするため、編み目に隙間が欲しかったからです。
藍染めの裂き布は、布の両端を編み込んだ中に収めることで、仕上げが綺麗になります。裏面は編み地の表情が異なりますので、リバーシブルで両面使えます。そのためにも裂き布の丁寧な始末が大切です。

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裂き布だけだと、重たいものになってしまいますが、思い出の布を、このように少しだけあしらうと、ちょっと控えめながらもその凛とした主張が感じられるのではないかと自負しております。
裂き布は、ほんの少し撚りをかけてからの方が編みやすく、次の段に移った時に、編み目がわかり易く綺麗に仕上がります。

 

本藍染めの手紡ぎ糸で、念願のセーターを・・・

藍染めの退色を防ぎたくて、糸の中まで均等に染料が届けば、その問題を解決できるのではないかとの考えから始めた今回の試みも、遂に最終段階まで参りました。なんだかワクワクします。
今回の目的を確認するには、しばらく時間がかかりますが、その時間も大切に感じてみたいと思います。
軽くてとても暖かく、優しい風合いのセーターに仕上がりました。
長い間恋い焦がれていた本藍染めのセーターの完成でーす!

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薄手でも暖かな仕上げにするため、平編みではなく、凹凸のある編み方にして空気の層を沢山包み込める鹿の子編みの応用をしてみました。平編みより伸縮性にも優れ良いことづくめです。
袖口はガーター編みで、二重構造のため保温性に優れ、縦に伸縮性があり、水仕事の後、手の甲の冷えをカバーし温めるのに便利です。洗濯後、縮んで袖丈が短くなってしまうこともしばしば起こりがちですが、この編み方だとその心配も解消されます。試行錯誤の結論です。
水仕事の時、袖口が邪魔というお声を沢山お聞きしますが、この編み方だと、袖口先端の伏せ止めをできる限りゆったり仕上げることで、好きな位置まで袖をまくり上げることが可能となります。作業中に落ちてくることもありません。ちょっとした工夫で、一石三丁くらいになりまーす。

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襟は内側に織り込めば、オーソドックスな丸襟タイプに。このままでも衿先を丸め気味の場合と伸ばし気味では少し雰囲気が変わります。私は、少し立て気味にして、内側に薄手のシルクのミニスカーフをするのが気に入っています。空気を沢山包み込み保温性抜群です。
首まわりと袖口に少しだけ気配りすることで、だいぶ体に優しくなります。
裾は3.5㎝程ガーター編みにしました。

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次回への課題:原毛には脂分があるため、植物繊維とは違い、染色の際、染料が入りやすいようある程度脂分を落としてから染色しなければなりません。しかし、自然の脂分をできるだけ残したいという思いとの葛藤がありました。結果、自然の脂分を残し光沢を大切に・・・。
それでも、ちょっと欲張りな私は、まだ濃紺を諦めることができません。
次回は、白を染めるのではなく、ナチュラルカラーの淡いグレーとベージュで再挑戦してみたいと思っています。もう少し深みのある藍紺に焦がれております。
編み道具:4号棒針
使用糸量:384g
仕上がりサイズ:幅52㎝ 着丈56㎝

 

本藍染めの原毛(ブルーフェイス)を紡ぐ

本藍染めから、待つこと3ヶ月半。
本当は1年ほどそのまま置いて、それから紡いだ方が藍が安定するのだそうですが・・・。最低でも3ヶ月我慢と聞き、ほんの気持ちだけですが半月ほど長めに待ちました。でも、これが限界でした・・・。もう待てません。
大好きな藍染めですが、糸を染めても中まで染料が入らないと、表面の染料の退色が早く、残念な結果になってしまいます。草木染めや藍染めは、未使用のものをタンスに大切に保管していても、折り畳んだ跡がくっきりと退色してしまうことがあります。
今回はそのような問題を解決するため、紡いだ糸を染めるのではなく、紡ぐ前の素材を染色し、中まで均等に染料を行き渡らせることで、退色を防ぎたいとの思いから実験を試みました。

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手紡ぎ糸は市販糸に比べ、軽くて暖かに仕上がるため、細めの3plyヤーン(3本の糸を撚り合せて1本の糸にすること)にすることに決定。
外出時にコートの中に着てもゴロゴロせず、薄手ながらも保温性抜群のセーター用の糸に紡ぎたいと思います。
本藍で濃淡に染め分けた原毛2色を別々に紡ぎ、それらを双糸にする予定でしたが、濃色の方が濃紺よりやや明るい色目だったため、濃淡2色の双糸だと少しチープな色合いになってしまい、予定変更。
思い切って贅沢な染め賃をかけたのに、日本の深みのある藍色ではなく、東南アジアの深みのないチープな色合いでは納得がいかず試行錯誤。
ナチュラルカラーの白を加えることにより、目の錯覚で濃色がやや濃いめに見えるようになりました。

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3plyヤーンに。白の効果は絶大です。白を加えることで他の色目がぐっと引き締まって見えてきます。頼もしい限りです。

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ライトの当て具合のせいか、この写真は濃色がやや明るめに写っています。

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さすがブルーフェイス、光沢があり優しい風合いの糸になりました。各色ともセミウーステッドの単糸に紡ぎ、それらを撚り合せて一本の糸に。
紡いだ糸量:1056m/457g(2.31番手)
ここまで来ると、もう頭の中は初めての「本藍染めセーター」で一杯です。

原毛(ブルーフェイス・コリデール)を本藍染め

かねてからの念願だった原毛の本藍染めを、昨年秋についに実現しました。染処風来坊さんで、藍の何とも言い難い独特の香りの中、いちにち楽しい時間を過ごさせて頂きました。感謝です。
風来坊のお師匠さんとお弟子さんは、その絆と信頼関係が、絶妙な言葉のやり取りから感じられ、笑いの絶えない楽しい体験となりました。
藍は生き物ですから、きっと私たちの楽しげな笑い声に反応して、良い感じに染まってくれたのだと思っています。

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原毛は、中までよく染まるよう、繊維に少し空気を含ませるようにしてからネットに入れ、準備完了。今回は、淡色と濃色の2色に染め分け。
素材は、羊毛の中でも光沢があり滑らかな肌さわりのブルーフェイスとメリノよりフェルト化し難いコリデールにしました。
ブルーフェイスは私のセーター用、コリデールは夫のセーター用です。

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表面についた藍の葉っぱは、染色完了後、干す前に丁寧に取り除きます。

染め時間は一回15分。それ以上は染料が入っていきません。一度藍甕から引き出し、流水に晒します。甕から引き出した時は緑色なのですが、水に晒すと酸化し藍色に変化します。軽く脱水し空気に晒して酸化させることで、藍が更に青く発色します。これを繰り返すこと7回。それ以上は殆ど変化が見られませんでした。
濃紺に仕上げたかったため、何日か置いてから、再度染め重ねて頂くことに・・・。
2度染め重ねて頂きましたが、殆ど染料が入らず色に変化が見られなかったため、合計9回の染め重ねで終了ということになりました。
淡色は、仕上がりの濃淡さを大きくしたかったため、3分程藍甕に入れ濃色同様、水に晒し脱水、空気に晒してしばらくおき、その後もう一度藍甕に入れ、合計2回で染め終了。
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染色後、2週間ほど竿に干した後、水の中に一晩浸水しアク抜きをします。これを4回繰り返します。アク抜きすることで、発色が良くなるのだそうです。透明な水が、うっすらと茶色になります。回数を重ねる毎にアクが出なくなり、最後は殆ど水の色に変化は見られませんでした。

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原毛の表面だけでなく、中まで均等に酸化発色させるため、干す時は、原毛が濡れているうちに手で繊維をほぐし、均等に空気に触れ易くします。時々裏返したり、竿に掛かっている位置をずらし、できるだけムラなく均等に発色させます。
アク抜きすることで、染色による繊維のきしみも緩和され、発色も促進されたように感じます。
藍は、染めてから1年寝かすと色が安定するのだそうです。
私は、そんなに待てそうにもないので、最低どのくらい寝かせる必要があるのかとお聞きしたところ、3ヶ月は我慢とのこと。
「急いてはことを仕損じる」と申します。
ああ、早く3ヶ月が過ぎますようにと、毎日原毛を眺めておりました。