ツイード風スラブ双糸のベスト


「いろいろな色が所々に入っている糸でベストを」とのリクエストにお答えして、この糸にしました。温かみのあるオレンジ系をベースに、大好きなトルコブルーや赤、黄などを散りばめました。

素材:羊毛(コリデール)
紡いだ糸量:664m/409g(1.623番手)
双糸の内の一本はスラブ(細いところと太いところが交互に現れる糸)に、もう一本は細糸に。

仕上サイズ:着丈58cm×身幅55cm
編み:6号棒針で、裾はガーター編み、身頃は変わり鹿の子編み。
裾は全部閉じず、スリットを入れ、座った時に後ろ身頃が綺麗に垂れて腰を覆い、保温力があります。袖、襟もガーター編み。袖口は広がり過ぎず適度に腕に沿うよう、一目ゴム編みに。
肩はぎの時、編み模様が自然になるよう、前身頃をひと模様分長くあんであります。
スリットの開き止まりには同系色の小さめのボタンを付けて。
仕上重さ:393g
軽くて温かな仕上がりとなりました。手紡ぎ糸ならではの風合いです。

襟は、肩のラインを袖側に少し引くとボートネックに、引かずに自然に着こなすと立ち襟気味になります。

フレンチスリーブより少し長めの袖にしただけで、随分と温かさが違ってきます。

袖口(左側が身頃、中央は袖のガーター編み、そして右端が一目ゴム編みです)

裾(ガーター編み)

全景

藍染風杢調手紡ぎ糸のベスト


大好きな藍染ですが、本藍で染めるとなると、その手間、時間、コストなど全てにおいてかなりの覚悟を持って取り組むべき仕事となってしまい、躊躇しておりました。
そこで、ちょっと発想の転換をして「藍染風」にチャレンジすることに。
濃紺だけだと、顔色が沈んで見えがちなので、淡〜いブルーグレーとのコントラストで、杢調の極細双糸に紡ぐことに決定。
途中で気が変わり、セーターにしたくなるかも・・・と思い、少し多めに準備。
手紡ぎ糸は細糸でも軽くて十分暖かいため、極細糸でシンプルなデザインでおしゃれ着にもなるようにとあれこれ思案。

素材:羊毛(コリデール)
紡いだ糸量:1,345m/344g(3.909番手)
3.9番手とは、1gで3.9m紡いだということです。
濃紺と淡色を別々に紡ぎ、それらを双糸に紡ぎ合わせるので、一色づつはおよそその倍の細さに紡ぐということになります。

編み方:3号棒針と2号棒針で試し編みをしましたが、2号の方が網目が整って綺麗だったので、2号棒針で編むことに決定。「かなり根気のいる仕事になりそう・・・」と気を引き締めて・・・。
平編みだと、この糸の良さがあまり生きず平凡になってしまうので、変わり鹿の子編みにすることで、この糸の個性が引き出され豊かな表情になりました。
編み地の表面に凹凸があるため、複雑な編み方をする必要もなく、空気と体温の層を抱き込むことができるため、保温性を高める効果も得られます。
使用糸量:219g
サイズ:着丈56cm×身幅55cm
軽やかにブラウスの上にはおっても着られるよう、セーターはこの段階で却下。
ベストでも少しゆったりめで袖も少しありつつシンプルで、外出着にもなります。
脇にスリットを入れることで、座った時、後ろ身頃が腰をすっぽりと覆い、温かさをキープ。開き止まりには、控えめながらもエンジ色の小さなボタンをアクセントに配しました。


襟元は、肩のラインを少し袖側に引くだけでボートネック気味になったり、上の写真の様に立ち襟気味にすることもできます。中に着るものに合わせて調整可能なのが、このデザインのポイントです。
実物の色は、この写真より濃く、糸の写真の色です。写真は難しい・・・。

見頃は真っ直ぐに編んでいますが、極細糸のため、着用すると脇がAライン気味になり、年齢を問わず綺麗に着ることができます。前襟ぐりは減らし目をしています。

ピレネーシープのベスト


ピレネー山脈の厳しい寒さの中で育った羊の毛は、外側は太くて荒々しく、内側は寒さから身を守るため柔らかなダウン状です。チクチク感を緩和するため、コリデールのダークスライバーとチェビオットの白をMIX。
使用糸量は427g。双糸スラブ(1.25番手)
使用編み針:6号棒針
これも、コリデールのベスト同様、ゆにせっくすでラフな襟元をイメージしました。
軽くて暖かな化学繊維の開発が進んでいますが、自然を身に纏う心地よさを味わって頂けたらと思います。


スリットを入れて

コリデールのベスト


直線ラインのシンプルベストです。
ユニセックスでラフな襟元をイメージ。脇もスリットを入れて。
コリデールのナチュラルカラー・濃茶を双糸スラブに紡ぎ、変わり鹿の子編みにしてみました。
立体的に編み上がり、空気を十分含んで軽くて暖かく仕上がりました。使用糸量は322g(1.9番手)。
使用編み針:6号棒針
仕上がりサイズ:幅50cm 着丈62cm

コリー犬毛100パーセントの手紡ぎ糸でベスト+小物

コリー犬毛100パーセントの手紡ぎ糸で

愛犬の温もりを身にまとい、その思い出を身近に感じられたらというご希望から、ベスト・帽子・リストウォーマー・マフラー等、様々なアイテムにしてみました。
コリー犬は、毛足が長く、オーバーコートとアンダーコートの二重の被毛です。
白・茶・グレー・ベージュの犬毛を混ざり過ぎず点在させながら、コーディネイトし易いような糸を目指しました。
フェルト化が進んでいたので、一部その良さを生かしたのが、ちょっとごつっとした出方の白の部分です。
襟はへちま襟ですが、立てても使えます。
手紡ぎ糸の番手:2.049番手
使用糸量:241g
編み針:10号棒針
編み方:1段目は、表編み、裏編みを交互に。2段目は表から見ると表編みのみ(裏編みで戻ってくることになる)これをリピート。
編みあがり後、湯通しすると編地が横伸びするので、必ずゲージを取り、湯通し前と後のサイズを測りその比率を記録、計算して編み目の数を決定することが大切です。
以前、この模様編みで夫のセーターを編み、仕上げに湯通ししたら、MサイズのはずがLLサイズになってしまい、本当に涙が流れてきたことがあります。結局解いて計算しなおし編み直しました。
その貴重な経験以降、見本の試作は時間がかかっても丁寧で慎重にすることが、何よりも大切であり近道と肝に命じています。

襟にオプションをプラス

毛質上、紡ぐとモヘアの様な起毛となるため、その起毛を抑るため紡ぎかたを変えて薄手のマフラーをつけました。ベストのボタンは全て形が異なります。
通常は、ボタン無しで前開きのままラフに羽織るように作っておりますが、今回は、寒さが厳しい時に便利なようにボタン付きに。(4個とも異なる形です)

濃茶の薄手マフラー

濃茶の部分は毛足は短かったのですが細くふわふわだったので、セミウーステッド(空気を追い出しながら糸のふくらみを押さえ、起毛も押さえるため)に紡いでみました。
使用糸量:30g
色の異なる犬毛を丸・三角・四角のフェルトにしてブローチでアクセントを

犬毛ホルダー

思い出一杯の愛犬たちのふわふわ感触を残しておきたいなぁと思い、こんな形にしてみました。犬毛糸で編んだ犬毛ホルダーで、そのままの感触を包み込んで。

犬毛ホルダー
お守り

ポケットやバックに入れて持ち歩けるように、お守り袋を。犬毛糸で織りボタンは犬毛をフェルト化。その中に大切な犬毛を入れます。

紡ぎ方の異なる二つの帽子に

左側はスラブ糸に。右側は、それよりも起毛を抑えるためにセミウーステッドに。
表情が違うのをお分かりいただけるでしょうか?
ガーター編みでフリーサイズ。

リストウォーマー2種

リストウォーマーも、あまり起毛していないほうが使い易いので、セミウーステッドの糸に。手首、足首両方に使えます。保温性があり、寒い冬は家の中でも簡単に着脱できて便利なアイテムです。

携帯ストラップとブローチ

携帯ストラップは、いつでも身に着けられるアイテムとして。
ブローチは、遊び心でベストやマフラーに、その他コートや帽子にも使っていただけます。