黄金繭(クリキュラ)

黄金色に輝く「黄金繭(クリキュラ)」をご存知でしょうか?
今まで、白や黄色、緑色の繭は見た事がありましたが、この様に金色に輝く繭は初めてだったので、ゆっくり触れたり眺めたり、これで何か作ってみたいと思い、少しだけ購入してみました。

黄金繭は、インドネシア・ジャワ島に生息する天然山繭科の野蚕蛾(クリキュラ・トリフェネストラータ)で、世界で唯一、黄金色の輝きを持つ繭とのこと。
なぜ黄金色に発色するのかは定かではありませんが、クリキュラが食する葉に含まれる色素による物ではないかと言われているそうです。抗菌性、吸湿性、保温性に優れ、収穫量が少ないそうで、古来より、王室への献上品として珍重されているのもうなずけます。

繭は、セリシンという動物性たんぱく質が接着剤の様な役目をすることで形を保っています。
糸に紡ぐには、煮て、このセリシンを取り除かなければならないのですが、煮過ぎると黄金色の光沢が失われ、細く短い繊維になり、その魅力が失われてしまい、黄金繭ではなくなってしまうと聞き、増々興味津々。
光沢を残すタイミングを見極めるのが大切な鍵。セリシンを除かないと紡ぎにくい、けれども、セリシンを残さないと黄金色にはならない・・・。う・・・ん、悩ましい。
紡ぎの熟練者でも、年間1kgを紡ぐのが精一杯と知り、王室への献上品の意味が良くわかりました。

脂分を残してコリデール双糸の帽子

コリデールのステイプルを再度洗い、櫛で解きほぐし、長い繊維のみを、刈り取った根元の方から紡いだ糸で編みました。
見た目にはとっても地味ですが、しっとりと滑りがあり、これぞ手紡ぎ糸・・・。
手前味噌ですみませんが、本当にほれぼれする感触です。
皆さんに触っていただけないのがとってもとっても残念であります!
全く洗わず紡ぐと、始めは手がしっとりしてきたなぁと思うのですが、次第にその脂分の多さに驚く事となります。せめて、汚れだけ落とすための洗いが必要かと思います。そうしないと、着ている物も部屋も汚れて仕事が増えてしまいます。

羊たちは、この脂分があるからこそ極寒でも生きる事ができるのだなと実感。
紡いでいる時だけでなく編んでいる時も、その脂分が心地よく感じられます。スルスル滑るのとは違い、しっとりと優しくその存在感を伝えながら指の間を通り抜けて行く感じがたまりません。

時々、私たち人間は果たして「進化したのだろうか?それとも退化したのだろうか?] と思う事があります。服を纏い、冷暖房の効いた家に住み、体毛も脂分も手放してきた・・・。
それは進化?退化? 人間以外の動物からみたら、進化したと勘違いしている人間たちが滑稽に見えているのかもしれません。こんなこと考えてるのは私だけでしょうか?

編み針:7号棒針
編み方:別糸で46目作り目し、ガーター編み。最後はガーターとじ
使用糸料:106g