本藍染めの原毛(ブルーフェイス)を紡ぐ

本藍染めから、待つこと3ヶ月半。
本当は1年ほどそのまま置いて、それから紡いだ方が藍が安定するのだそうですが・・・。最低でも3ヶ月我慢と聞き、ほんの気持ちだけですが半月ほど長めに待ちました。でも、これが限界でした・・・。もう待てません。
大好きな藍染めですが、糸を染めても中まで染料が入らないと、表面の染料の退色が早く、残念な結果になってしまいます。草木染めや藍染めは、未使用のものをタンスに大切に保管していても、折り畳んだ跡がくっきりと退色してしまうことがあります。
今回はそのような問題を解決するため、紡いだ糸を染めるのではなく、紡ぐ前の素材を染色し、中まで均等に染料を行き渡らせることで、退色を防ぎたいとの思いから実験を試みました。

DSC05772

手紡ぎ糸は市販糸に比べ、軽くて暖かに仕上がるため、細めの3plyヤーン(3本の糸を撚り合せて1本の糸にすること)にすることに決定。
外出時にコートの中に着てもゴロゴロせず、薄手ながらも保温性抜群のセーター用の糸に紡ぎたいと思います。
本藍で濃淡に染め分けた原毛2色を別々に紡ぎ、それらを双糸にする予定でしたが、濃色の方が濃紺よりやや明るい色目だったため、濃淡2色の双糸だと少しチープな色合いになってしまい、予定変更。
思い切って贅沢な染め賃をかけたのに、日本の深みのある藍色ではなく、東南アジアの深みのないチープな色合いでは納得がいかず試行錯誤。
ナチュラルカラーの白を加えることにより、目の錯覚で濃色がやや濃いめに見えるようになりました。

DSC05779
DSC05786

DSC05797

DSC05801
3plyヤーンに。白の効果は絶大です。白を加えることで他の色目がぐっと引き締まって見えてきます。頼もしい限りです。

DSC05802
ライトの当て具合のせいか、この写真は濃色がやや明るめに写っています。

DSC05799

さすがブルーフェイス、光沢があり優しい風合いの糸になりました。各色ともセミウーステッドの単糸に紡ぎ、それらを撚り合せて一本の糸に。
紡いだ糸量:1056m/457g(2.31番手)
ここまで来ると、もう頭の中は初めての「本藍染めセーター」で一杯です。

コメントを残す